開発の経緯
Arduinoから少し離れて、ESP32やSTM32とかのマイコンにしばらく浮気をしておりました。
しかし、巷ではArduino UNO R4 MINIMA や WiFiタイプなどのルネサスの32bitマイコンが搭載されたArduinoが発売されて、私もいろいろと試したくなりました。
組み込みプログラムを作成する際にLEDを使ったデバッグは頻繁に行われると思います。
私は、めちゃくちゃLEDを使用したデバッグを行います。
しかし、いざデバッグをしようとするたびに、ブレッドボードや抵抗、LED、ジャンパケーブルを用意して回路を組まなければいけない。
その点のわずらわしさを少しでも解消できるように、Arduino UNO専用のLEDシールドを作成しました。
回路と基板の設計
以下が作成した回路図です。

Arduino LEDシールド回路図
Arduino UNOのすべての入出力ピンにLEDが接続されています。
LEDの手前にはジャンパ用のブリッジを設置しており、不要なピンはカッターで切断して無効にできます(切断したジャンパはハンダで再接続可能です)。
基板設計はKiCadを使用し、Arduinoシールド用モデルを使用して設計しました。

Arduino LEDシールド配線図
とても単純な回路となっております。
この基板で、毎度お世話になっているJLCPCBで基板発注を行いました。
基板製作と動作確認
今回の基板の製作枚数は30枚!!
LED・抵抗もJLCPCBのほうでアセンブリしてもらいました。
同じ部品をたくさん使う場合、自分で部品を集めてはんだするよりも、 手間・価格面共にコスパがいい と思います。
- 基板代:12.2ドル
- アセンブリ代(部品費用含む):23.67ドル
- 合計:約36ドル弱(一枚約1ドル)
実際に届いた基板:

Arduino 部品実装済み基板
- 抵抗とLEDはしっかりと実装済み
- Arduino UNO R4 MINIMAにスタッキングコネクタで接続可能

Arduinoに搭載した状態
Arduino用スタッキングコネクタを使えば、ジャンパケーブルで拡張したり他のシールドも併用可能です。
動作確認動画
実際の動作している動画がこちらになっております。
- すべての出力ピンに対してLEDが制御可能
- 緑色のきれいなLED点灯を確認
この基板があれば、Arduinoでのデバッグがとても楽になります!
宣伝とかご紹介
GitHub公開
LEDシールドの基板・プログラムは以下にて公開中です:
- GitHub Repository
- 点灯プログラム:
https://github.com/ramtuc/ram_prog/tree/main/Arduino_LED_Shield/Arduino_Schetch/LED_test - 基板データ:
https://github.com/ramtuc/ram_prog/tree/main/Arduino_LED_Shield/schematic
JLCPCBで基板を作成する場合は Arduino_LED_Shield.zip
を読み込ませればOKです。
BOMファイル・CPLファイルも同梱されており、実装サービスにも対応しています(自己責任でご利用ください)。
Boothショップでの購入
紹介したLEDシールドはBoothでも販売中です。
セット内容:
- LED・抵抗が実装済みのシールド基板
- Arduino用スタッキングコネクタ
購入サイト:ElectroRam Studio
ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
まとめ
電子工作を続けていくうちに、「こういうのが欲しかったんだよな」と思う瞬間があります。
今回作ったLEDシールドは、まさにそんな思いから生まれた小さな工夫の結晶です。
ただの出力確認用のLEDと言ってしまえばそれまでですが、
その「ただの部分」を一手間かけて形にしてみることで、日々の作業が楽しく、快適になっていく感覚は、ものづくりの醍醐味だと感じています。
手に馴染む道具を自分で作れるというのは、電子工作ならではの自由で創造的な喜びです。
今後は、他にも「もっと便利に」「もっと効率よく」なるようなツールやガジェットをいろいろ試作していく予定です。
その過程で気づいたことや工夫した点を、またこうしてシェアできたら嬉しいです。
それでは、良き電子工作ライフを!
See You …