※クラウドで高額な課金を行い、その後で返金を求めるような行為は絶対に避けてください。
このような行為は詐欺に当たる可能性があり、法的な問題を引き起こす恐れもあります。

Azureの落とし穴にハマったきっかけ

普段からAzure Media Serviceでシステムを作って活用していました。

家のWebカメラをクラウドに接続し、我が家のペットであるレオパをリアルタイムで監視できるシステムでした。
このシステムは私にとって非常に重要で、家族の一員であるレオパの安全をいつでも確認できる安心感を提供してくれていたのです。

我が家のペット:レオパードゲッコー

我が家のペット:レオパードゲッコー

ところが、ある日突然のニュースが飛び込んできました。Azure Media Serviceがサービス終了するというのです。

代替案としてStream Analyticsを試すことにしましたが…

あぁ、あんなことになるなんて…

作成リソースの放置が命取りに

私の期待とは裏腹に、Stream Analyticsの使い方がいまいち理解できませんでした。何度か試みたものの、思うように機能しないため、結局あきらめてしまいました。
そして、最大の過ちがここで起こりました

作成したリソースをそのまま放置してしまったのです。

その後、Stream Analyticsの料金体系について知ることになりました。
私が知らなかったのは、このサービスは利用の有無にかかわらず、プロビジョニングされたストリーミングユニット数に応じて料金が発生するということでした。

つまり、私が放置していたリソースは、毎日課金され続けていたのです。

そして、この誤解と放置が致命的な結果を招き、ある日突如として高額な請求が届いたのです。

請求額に愕然──合計50万円超

クレジットカード明細で「マイクロソフト 48,594円」を発見。コスト管理で確認するとすでに課金は471,000円以上

最初に異変に気づいたのは、月末に届いたクレジットカードの請求書でした。

「マイクロソフト 48,594円」

という驚くべき金額が目に飛び込んできたのです。   普段の私のMicrosoft Azureの利用料は5円程度。この額は明らかに異常でした。

クレジットカードの請求

クレジットカードの請求

直感的に、何か大きな間違いがあると感じました。私はすぐにAzureのコスト管理ページを開きました。
そして、そこに表示されていた数字は、私の予想をはるかに超えるものでした。

利用料金が想像を絶するほどに膨れ上がっていたのです…

確認した時点で、すでに47万円もの課金が積み上がっていました。

コスト管理ページ

コスト管理ページ

471Kの桁数感がわからず、一瞬固まりました。

その瞬間、まるで夢を見ているような錯覚に陥りました。 心臓がバクバクと激しく鳴り始め、不安と驚きで胸がいっぱいになりました。

つい最近受け取ったボーナスは一瞬にして吹き飛んでしまうほど、これは完全に私の支払い能力を超えている金額でした。

これまでのAzureの利用がどれほど小規模だったかを考えると、この額は到底理解が追いつかないものでした。
事の重大さを痛感し、混乱の中で、これからどう対応すべきか、緊張が高まるのを感じました。

Microsoftサポートへの問い合わせ・交渉

私がまず手を打ったのは、Stream Analyticsサービスの即時停止でした。  これ以上の金銭的ダメージを防ぐための必死の策です。

Azureサポートリクエスト

Azureサポートリクエスト

すぐにリソース停止後、「ヘルプとサポート」から返金交渉。以下のように正直に状況を説明しました:

Stream Analyticsについての理解が不十分なまま試験的に環境を構築しました。

データに対する従量課金と思い込み、環境を消去するのを忘れてしまいました。

クレジットカードの請求を確認したところ、9月から11月まで一切データのやり取りを行っていないにもかかわらず、 支払い能力を超える請求が来てしまいました。

9月(¥48,594)、10月(¥285,743)、11月(¥167,031)。

返金、または減額をお願いできないでしょうか?

返ってきた返信は、

Azureの請求については、原則として請求取り消しや返金対応は行っておりません。

システム障害などでサービスがご利用いただけない場合のみ対応しています。

しかしながら、本件についてはStream Analyticsで意図せずに高額な課金が発生してしまった状況を考慮し、 内部で返金の確認を行わせていただきます。

対応として「原則返金不可だが、社内で検討」との返答を受け、返金可否の審査が開始されました。

メールのやりとり

メールのやりとり

この言葉は、暗闇の中で見つけた一筋の光のようでした。 私の心は、絶望の淵から一気に希望へと引き上げられたのです。

この一筋の光明によって、少しだけですが、私の心に安堵の息吹が戻ってきました。

返金完了 - 安堵の瞬間

問い合わせてからの約2週間は、不安の連続でした。 そして、光が見えたのはマイクロソフトからのメールが届いた時でした。

メールには、私の心に大きな安堵をもたらす内容が記載されていました。

「ご返金手続きが完了いたしました」

との一文に、私の心は大きく飛び上がりました。
48,590円と285,740円の合計334,330円が返金されることになり、さらに最近の請求167,028円も請求取り消しになるとのこと。

私が支払うことになっていた金額が、すべてなかったことになるという、信じられないほどの結果でした。

請求取り消しメール

請求取り消しメール

このメールを受け取った瞬間、私の中の不安と緊張が一気に解けていきました。
何週間にもわたる心配と不安が、一瞬にして晴れ渡りました。

この年の瀬を、無事に安心して越せることに深い感謝の気持ちでいっぱいになりました。

そして、この経験から学んだ教訓を心に刻み、二度とこのような事態を招かないよう、心に誓いました。
Azureや他のクラウドサービスを利用する際には、今後さらに慎重になることを自分自身に約束しました。

今回の教訓とアドバイス

クラウドサービスを利用する際、想定外の課金に見舞われる可能性は誰にでもあります。 私の経験から得た教訓アドバイスを共有します。

  1. 使わないリソースは即削除!

使用していない、試験使用して使わなくなったリソースは即削除。
また、AzureやAWSなどのクラウドサービスで予期せぬ課金が発生した場合、まずは直ちにサービスを停止しましょう。
課金は秒単位で加算されるため、迅速な対応が不可欠です。

  1. 課金アラートは必ず設定!

クラウド設定においては、過剰な課金を防ぐために課金アラートを設定しましょう。 Azureではサービスの自動停止はできませんが、アラートの設定は可能です。 私も事故発生後に設定を見直し、普段使用しているメールアドレスにアラートが届くようにしました。

  1. サポートには正直に、冷静に対応!

落ち着いてサポートに問い合わせを行います。全てを正直に伝えることが重要です。 通信履歴やアクセス履歴はクラウド運営側が把握しており、不正確な情報を提供しても利がありません。 返金や減額の交渉、今後の対応策など、事実に基づいて問い合わせを進めましょう。

  1. 返金結果に関わらず、今後の学びとする

運良く請求取り消しをしてもらえた私ですが、どのような結果になっても文句は言わないようにしましょう。 基本的には、事故を起こした側に責任があります

このような自己防衛策が大切です。


最後に:Microsoftサポートへの感謝

今回の件で、私はAzureを今後も使い続けることを決意しました。
この度のご対応に心から感謝申し上げます。これからも変わらぬご支援をお願いします。

マイクロソフト様、本当にありがとうございました!!

クラウド課金の恐ろしさと正しい使い方を、ぜひ多くの人に知っていただければ幸いです。


注意喚起

この記事を読んでいただき、私の経験が皆さんの参考になれば幸いですが、重要な注意点があります。 今回私が経験したような課金トラブルの解決は、例外的なケースです。

全ての課金問題がこのように幸運に解決されるわけではありません。

クラウドサービスの課金システムは、使用したサービスに対して正当に料金を支払うことを前提としています。 誤って高額な課金が発生した場合でも、必ずしも返金や課金取り消しが行われるとは限りません。

サービス利用者としては、課金に関する責任を自覚し、慎重にサービスを使用する必要があります。

また、私の経験を真似して意図的に高額な課金を行い、その後で返金を求めるような行為は絶対に避けてください。 このような行為は詐欺に当たる可能性があり、法的な問題を引き起こす恐れもあります。

さらに、クラウドサービス運営側はユーザーのアクセス履歴や通信履歴を詳細に把握しているため、意図的な課金が明らかになると、その行為は容易に発覚します。

クラウドサービスを利用する際には、その利便性と効率性を享受する一方で、適切な使用を心掛けることが重要です。 クラウドサービスは、その便利さと効率性で私たちの業務や生活を支えていますが、その使用には常に責任注意が伴います。 誤った使用や不正行為は、自身に重大なリスクをもたらすだけでなく、クラウドサービスの信頼性を損なうことにも繋がります。

課金トラブルを避けるためには、サービスの利用規約をよく理解し、課金アラートの設定などの予防策を講じることが重要です。

常に責任ある行動を取り、安全かつ適切にサービスを利用しましょう。