この記事で学べること

  • LED 点灯回路の基本構成
  • オームの法則を用いた抵抗値の求め方
  • ブレッドボード配線の手順とトラブルシュート

1. なぜ電子工作は LED から始める?

3 つの理由

# 理由 一言ポイント
1 電圧・電流・抵抗のすべてを使う最小構成 オームの法則を「体感」できる
2 通電確認に汎用的 プロも LED で動作チェック
3 光る = 達成感 MAX 「動いた!」が次のステップを加速

まず“光る体験”でモチベーションを爆上げしよう!


2. LED を光らせるために必要なもの

部品 役割 今回の目安
LED 発光ダイオード Vf ≈ 2.1 V / If(max) = 30 mA
抵抗 電流制限 330 Ω (E24 系, 1/4 W)
電源 9 V 乾電池/AC アダプタ DC 5〜12 V でも可
ブレッドボード + ジャンパ線 配線ツール はんだ不要で試作

🛠 LED の向き
長い足 = アノード (+)、短い足 = カソード (−)。逆向きに挿すと光りません。

LED点灯に必要なもの

LED点灯に必要なもの


3. 回路図と抵抗値の決定

3-1. シンプル回路図

LED と抵抗と電源を直列接続した基本回路図

LED を光らせる最小回路図

3-2. 抵抗値を計算する手順

ステップ 計算内容 結果
1 LED 順方向電圧 Vf @20 mA 2.1 V
2 抵抗両端の電圧 Vr = Vs − Vf 6.9 V
3 理論抵抗値 R = Vr / I 345 Ω
4 規格値へ近似 330 Ω 採用

3-3. 理想抵抗値の算出

R = V / I = 6.9 / (20 × 10⁻³) = 345 Ω

つまり、LED に 20 mA を流す理論抵抗値は 345 Ω です。
しかし一般的な E24 系列には 345 Ω は存在しません。近似値として 330 Ω を選択します。

3-4. 実際に流れる電流

I = V / R = 6.9 / 330 = 0.021 A(=21 mA)

21 mA は LED の最大定格 30 mA を下回るため、安全に点灯できます。

330Ω 抵抗を使用した実際の電流値入り回路図

LED 回路に流す実際の電気


4. ブレッドボード実装手順

  1. 抵抗をブレッドボードの列端に差し込む
  2. LED のアノード (+) を抵抗の隣へ、カソード (−) を GND レールへ
ブレッドボード上での配線図

ブレッドボード上での配置

  1. 電源 (+) を抵抗側レールへ、(−) を GND レールへ
  2. スイッチ ON! LED が光れば成功 ✨
ブレッドボード上で点灯しているLED

点灯したLED

光らないときのチェックリスト

  • LED の向きは正しい?
  • 電池が消耗していない?(9 V 出てる?)
  • 抵抗は 330 Ω? 色コード オレンジ-オレンジ-茶

5. もっと遊ぼう!ステップアップ例

  1. 色違い LED — Vf が変わるので抵抗を再計算
  2. PWM 調光 — Arduino の analogWrite() で明るさを制御
  3. センサー連動 — 光センサーで暗くなったら自動点灯

6. お疲れさまでした

たった 1 個の LED でも、電子工作の面白さや「動いた!」という達成感を十分に味わえます。
次は 可変抵抗で明るさを調整したり、複数の LED を順番に光らせるなど、さらに面白い応用に挑戦してみましょう!